小瀬川ダム見学レポートその3  ▲戻る


発電所

 監査廊から外に出ました・・ダム全体を見上げることができる広場です。そして、目の前には山口県企業局の発電所がありました。通常の放流水のエネルギーを使って発電しているそうで、徳山(現・周南市)からコントロールしているそうです。発電所だけは、あとから設置されたそうです。
 また、発電所が止まっているときは、堰堤の中程にある放流設備(ハウエルバンガーバルブ)から放流するそうです。ちょっと見ると、オリフィス(ダムの中程にある放流設備をこう呼ぶそうです)のように見えますが・・オリフィスじゃないそうで・・普段の放流以外の放流は全てクレスト(てっぺんにあるゲート)ゲートから行いますとのことでした。



小瀬川ダム・・

 発電所前の広場で、ダムをバックに管理所の方がデジカメで写真を写してくれました・・その写真は、見学後、管理所のパソコンでカレンダーにしてくれました。
 さて、下から見上げると小瀬川ダムも大きく見えます。てっぺんのゲート(クレストゲート)はテンターゲートという種類のゲートで、高さは12mもあり、重さは65トンもあるそうです。洪水時の放流などは全てこちらが担当するそうです。ダム本体に鉄筋が入っていないといっても、放流設備の周りだけは特別で・・すごい鉄筋が入っているそうです。「ゲートの支えが抜けたりしたら大変ですから」とのこと・・そうですね・・万が一ゲートが外れたりしたら大変ですね。


 

 また、減勢工という放流した水の勢いを抑えるための設備がダム直下にあります・・放流の勢いで削れるダムもあるそうですがと聞いたら・・小瀬川ダムは、まだ大丈夫とのこと・・ちなみに、減勢工に魚はいますか?って聞いたら、「いますよ〜・・・うなぎもいるかもですよ〜」と言われていました・・・(本当にうなぎがいるの??(笑))


発電所へ通じる鉄管

 ダム前面で目立つ物といえば、この鉄管でしょう・・これは、発電所へ水を送る管です・・ダム式発電所(ダムの直下に発電所を設置するタイプ)なのですが・・なんか、ダム水路型発電所(ダムで取水した水をある程度離れた発電所へ水路で送水するタイプの発電所・・発電所の上にあるサージタンクから急勾配の鉄管で発電所に水を送り込むことが多い)のミニチュアに見えてしまいます・・・。
 最近の多目的ダムには通常の放流で発電を行うようにしているダムが多いですが・・こういった管が外から見えるダムはあまりないような気がします・・小瀬川ダム、大きなテンターゲートと発電所の鉄管がチャームポイントかな?(笑)


 

 さて、ダムの中の見学が終わって、管理所へ戻りますが・・・小瀬川には後から弥栄ダムが建設されています。それで、弥栄ダムができてから運用などは変わったのでしょうか?と尋ねると、運用はかわっていないそうです。多目的ダムのため、水利権の調整の問題が難しいそうで、これだけは、権利を持った方や団体の話し合いが必要になるし、関係省庁の了解も必要だそうです。
 ただ、こちらが放流する場合、弥栄ダムに連絡するなど、そういった連携は行っているとのことです。

 ダムが県境にあるため、管理所の職員は広島県と山口県両方から派遣されているそうです。そして、県境は・・クレストゲートの真上じゃないそうです・・・え・・どこになるのか??・・それは建設前に小瀬川が流れていた所なんだそうです。クレストゲートの真上より少し広島県側が県境なんだそうです・・


 最後に、小瀬川ダムの重要な役目である洪水調整について・・洪水調整とは、大雨が降って河川が増水したとき、一時的にダムへ貯留して、河川の水位の上昇を抑えることです。洪水調整中もダムから放流します・・ただ、流れ込む水量より少な目に放流するところがミソです。小瀬川ダムでは、洪水の多い夏の間は水位を下げておいて、洪水調整に使える容量を増やすように運用しているそうです。
 洪水調整に使う容量は、夏の間が840万トン、洪水の少ない時期でも650万トンもあります。

洪水調整

 さて、見学が終わり、ダムをバックに写した記念のカレンダーをいただきました・・・とても楽しい見学会でした・・小瀬川ダム管理所の職員の皆様、ありがとう・・そして、いつもお仕事お疲れさまです。


撮影機材 キャノン製デジタルカメラ パワーショットS30、キヤノン製一眼レフカメラ EOS7 EF28−105USM

▲戻る