パソコン・レーシング

第16話


ミキ   「それはね、OSが軽いことを生かせないのよ・・おじさんは、今まで普通のOSばかりで勝負していたから気が付かないだけよ」
エフマップ「どういうことだ」
ミキ   「重い処理をしたら、OSの処理より、そっちの方ばかりにCPUが使われるの・・だから、210MHzのブイタウンズには不利なのよ」
エフマップ「なるほど・・ミキの言う通りだ・・」
ミキ   「それに、いくつもある処理とそれを処理したときのユニット数は、処理の重さに比例していないこともあるのよ」
エフマップ「そこまでは考えていなかったよ・・それなら、処理の重さの割にユニット数を稼げることをすればいいのだな」
ミキ   「そう・・おじさん・・すぐに、こっちの処理に切り替えて・・このままでは勝てないわ」
エフマップ「分かった・・もう、5位とは3ユニットしか差がないから少しでも可能性がある方に賭けるしかない」

しかしながら、エフマップが処理の手順を変えている間に5位のチームに追い越され5位に転落してしまった。手順を変えている間はピットに入っているのと同じだからだ・・

エフマップ「これと、これを入れ替えて・・よし、処理開始だ」
ミキ   「3位までどれくらい差があるの?」
エフマップ「午前5時の時点で、おれは1285ユニット、3位は1370ユニットだ」
ミキ   「85ユニットも差が・・・ブイタウンズのペースを考えると1時間近い差だわ・・決勝は無理かも・・」

ミキが、落ち込んで・・少し泣いているようでもあった・・ミキにとっては自分の作ったプログラムが初めて実用になるか試されているのだ。負けたくないのは当然だった。

エフマップ「希望は最後まで無くしては行けない・・まだ耐久レースは10時間ある・・自分たちの技術を信じよう・・それに朝8時からは、おじいさんやお父さんが起きてきて全員で勝負するのだから」
エフマップ「それに・・・ミキの考えた処理でユニットを稼ぐのだから・・」
エフマップ「大丈夫だ・・」

エフマップ「ミキ、疲れているんだよ・・控え室にもどって休みなさい」

ミキは控え室へ戻ったようだった・・
・・・・続く


第17話

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