パソコン・レーシング

第12話


ブイタウンズの操作はエフマップからマサヒロに交代した。ブイタウンズは、フリーズすることなく順調に動作している。マサヒロはハードディスクの動作音とCPU冷却ファンの音を聞いていた、まだ余裕があるようだ。マサヒロは、重い処理でユニット数をかせぐ作戦に出た。

ベンチマークの中間結果が出た。ジャンクのおじさんが中間結果を急いで持って帰ってきた。
エフマップ「ジャンクのおっさん、どうしたんじゃ」
ジャンク屋「どうも、おかしいのだ」
エフマップ「ほとんどのチームがクロック順に並んでいるが・・」
ジャンク屋「よく見ろ、3チームだけベンチマークがよすぎる」
ヤスオ  「いずれも、ペンティアム3搭載機か・・なんかあやしいぞ」
ジャンク屋「ヤスオもそう思うだろう・・これは、おそらくクロックダウンしているマシンだ」
エフマップ「クロックダウン???そんなの意味無いじゃないか」
ヤスオ  「そうではない、本来800MHz程度で動作する、最新のコアを内蔵したものを、ベース100MHzから60に落とすことにより、500MHz以下で動作させているようなのだ」
ジャンク屋「最新の、フルスピードキャッシュ搭載CPUだ、内部も高速になるように改善されている」
ヤスオ  「要するに、ヘビー級に出るようなやつが、減量してきて何階級か下で戦うような感じだ。本来の力は出ないだろうが・・簡単に勝負できる相手ではない」
エフマップ「これは、要注意だ」

開始から4時間たった、デジタル・マジック・チームは480処理ユニットをこなし、3位に浮上していた。すでにOSが規定回数以上ダウンしてリタイアしたチームも3チームあった。リタイアしては意味がない・・各チームともシステムダウンをしないように処理ユニットの組み合わせを綿密に考えだしていた。

そして、デジタル・マジック・チーム以外のチームは、他のチームに気が付かないように徐々にペースアップを始めたのだ・・・デジタル・マジック・チームの苦戦がはじまるのであった。

エフマップは、夜間の操作を行うため、控え室へ行き仮眠することになった・・・
・・・・続く


第13話

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